『凄まじい』(すさまじい)

旧暦7月28日 戊申(つちのえさる)
  白露末侯 玄鳥去(つばめさる)
P1080955犬の銅像
兵庫県公館の庭の犬のオブジェです。
この犬を見ると、『枕草子』に出てくる翁丸(おきなまろ)を
連想するのです。

帝がかわいがっている猫が、縁側で寝ていました。
世話係の女房が、
「お行儀が悪いから、中へお入りなさい」
と言っても、ききません。

そこで、脅かしてやろうと、犬の翁丸を呼んで、
「この子を噛んでやりなさい」
と、冗談で言ったのだとか。
それをまに受けて・・・と書かれていますが、
犬は忖度できませんものね。
翁丸は、猫に飛びかかっていきました。

運悪く、帝に見つかって、島流しを命じられたのです。

それから3、4日した頃、ひどくみすぼらしい犬が、
庭のすみにうずくまっていたそうです。
「翁丸」
と呼びかけても、知らないふりをしています。

その夜、
「翁丸は、さんざんに打たれて殺された」
という噂を聞いた清少納言が、
その犬に向かって、思わず、
「翁丸はどんなにつらかったことでしょう」
とつぶやくと、その犬は、体を震わせ、
涙をぽろぽろとこぼしたそうです。

そうして、翁丸は許され、
元通りの身の上になったということです。


長くなってしまって、すみません。
『凄まじい』から、『枕草子』の
「すさまじきもの」を思い出し、
そこから、翁丸を連想してしまいました。

さて、その「すさまじきもの」の筆頭に
あげられているのは、「昼ほゆる犬」。
ここでいう「すさまじきもの」は、
興ざめするものという意味ですが・・・。

我が家に昔いた犬も、夜は寝て、
昼、よくほえていました。
清少納言にすさまじき犬と呼ばれたと思います。
img014.jpg img002.jpg

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『露舐り』(つゆねぶり)

旧暦7月21日 辛丑(かのとうし)
  白露初侯 草露白(くさのつゆしろし)
DSCN9904.jpg
この子は、疲れちゃったのかな、
それとも、おねむなのかな・・・。

といっても、子兎じゃなくて、すみません。
神戸森林植物園のうさぎ園の兎たちです。
DSCN9409 (2) DSCN9630.jpg
DSCN9631.jpg DSCN9903ウサギ 

以前、六甲山にバードウォッチングに行った時、
鳥かなと思って双眼鏡でのぞくと、野ウサギでした。
いるんですね。

~宮城野の 小萩が下を とことして
  おやをも知らぬ 露むすびみみ~ (小野篁)
『古今和歌集打聴』には、
「兎はうみて後、子をみる事なし。
 子も親に逢事なし。
 露をくらひてそだつなり」
とあります。

子育てをする姿を見る機会がなかったので、
こんなふうに思われたのかもしれませんね。

今は下り月ですが、あと10日もすれば、仲秋。
月の兎の姿が、日に日にはっきりと
眺められるようになりますね。

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『晩稲』(おくて)

旧暦7月14日 甲午(きのえうま)
  処暑末侯 禾乃登(こくものすなわちみのる)
P1110681イネ
8月27日で、このような状態だと、晩稲なのでしょうか。

P1110679イネ P1110684イネ
よく見ると、花が咲いていました。

近くの田んぼでは、このような状態。
P1110745イネ

それにしても、晩稲の対義語は、「おませ」かと、
思っていました。
でも、「おませ」は、「ませる」から派生した言葉。
その「ませる」は、「増す」からきているようです。
成長が早いというより、
年齢の割に、大人びているといっているのですね。
ただ、「早稲」という言葉の影響は、あるかもしれません。

もう稲刈りの終わった田んぼもありますね。
慌ただしい世の中で、ゆっくりと実っていく晩稲は、
ほっとさせてくれるものがあります。

~花も実も晩稲に多し神の秋~ (去来)

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『月の舟』

旧暦7月7日 丁巳(ひのとみ)
  処暑次侯 天地始粛(てんちはじめてさむし)
DSCN8664六日月
写真は、2011年1月9日、18時ごろの六日月です。
というのも、日曜日(27日)は、舟のように見える
寝ている月が撮れませんでした。

じつは、この日は町内の夕涼み会。
みんなでおでんや焼きそばを作って食べたり、
盆踊りをしたりして、楽しく過ごしました。
空には、六日月。
舟というよりも、笑顔の口元のように見える月でした。
DSCN9455.jpg DSCN9460 (2)

さて、『月の舟』と聞いてまず浮かぶのは、

~天の海に 雲の波立ち 月の船
        星の林に 漕ぎ隠る見ゆ~
 (柿本人麻呂『万葉集』)

ではないでしょうか。

この場合の「月の船」は、半月とは考えないのが
普通だと思います。
どちらかというと、夕方に上り、朝に沈んでいく満月の方が、
夜空を渡っていくイメージがしますね。

とはいえ、夜のうちに沈んでいく半月も、
船を見送ったような気持になると思います。

28日は、写真の月よりも満ちた七日月。
20時頃には、織姫星(ベガ)が、天頂にきます。
   ↓
【今日のほしぞら-国立天文台暦計算室】

旧暦の七夕は、夜空のステージが整っていたのですね。

~牽牛(ひこぼし)の 嬬(つま)迎へ船 漕ぎ出(づ)らし
     天の川原に霧の立てるは~
 (山上憶良『万葉集』)

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『風船葛』(ふうせんかずら)

旧暦6月30日 庚辰(かのえたつ)
  立秋末侯 蒙霧昇降(ふかききりまとう)
P1020261フウセンカズラ
涼し気に揺れて、まるで、ちりりんと音がしそう・・・。
ですが、熱帯、亜熱帯に広く分布しているそうです。
暑さに強いんですね。

折り紙で、紙風船を折ってみました。
薄い和紙で折ると、そっくりにできるかもしれませんね。
DSCN7956.jpg
歳時記では、秋の季語。
ちなみに、「風船」は春の季語です。

小さな白い花も控えめに咲いて・・・。
DSCN7921.jpg
か細いつるで、しっかりとからみついていきます。

DSCN7928.jpg
茶色くなって、かさかさしてくると、収穫時期。

DSCN7930.jpg
どの風船にも、3つずつ種が入っています。
半面に大きな白いハート。
学名は、「Cardiospermum halicacabum L.」。
初めの部分は、
「cardia(心臓)」+「spema(種子)」から
できているそうです。
英名でも、「heart pea 」や、「heart seed」などと
いうそうです。

DSCN7923.jpg
そういえば、ふたつがペアになって
実っていることが多いようです。
一番上の写真もそうですね。

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