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『水鶏』(くいな)

旧暦4月9日 庚戌(かのえいぬ)
  立夏次候 蚯蚓出(みみずいずる)
ヒクイナDSCN4654 (640x480)
写真は、古来、詩歌に詠われてきた
「ヒクイナ(緋水鶏)」。
漢字のとおり、緋色のクイナです。

普段は、葦の繁みにかくれているのですが、
この日は、ペアで顔を出してくれました。
hikuina (640x480)
鳴き声は、こちらからお聞きください。
「さえずり」が、「水鶏たたく」の声です。
   ↓
【バードリサーチ鳴き声図鑑】ヒクイナ

「トン、トン……」とか、「コン、コン……」と
聞こえなくもないですね。
平安貴族たちが、こんなふうに戸をたたいて
いたのかと思うと、おもしろいですね。

『紫式部日記』にも、この水鶏のやりとりが
あります。

ある夜、紫式部の部屋の戸をたたく人が
います。
彼女は、それには答えませんでした。
すると、翌朝、藤原道長から、歌が届きます。

~夜もすがら 水鶏よりけに なくなくぞ
 まきの戸ぐちに たたきわびつる~
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
 一晩中、水鶏以上に、泣く泣く
 槙(まき)の戸口で、
 たたきあぐねとったんやで。
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それに対する、紫式部の返歌は、

~ただならじ とばかりたたく 水鶏ゆゑ
 あけてはいかに くやしからまし~
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
 ただではすまさんといわんばかりに、
 戸ばっかりたたく水鶏やから、
 もし開けでもしたら、どんなに
 悔しい思いをしたかわからへんわ。
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-

現在、標準和名が「クイナ」なのは、こちら。
クイナ DSCN6743(640x480)
鳴き声は、戸をたたくようには聞こえませんね。
   ↓
【バードリサーチ鳴き声図鑑】クイナ

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