立夏次候 蚯蚓出(みみずいずる)

写真は、古来、詩歌に詠われてきた
「ヒクイナ(緋水鶏)」。
漢字のとおり、緋色のクイナです。
普段は、葦の繁みにかくれているのですが、
この日は、ペアで顔を出してくれました。

鳴き声は、こちらからお聞きください。
「さえずり」が、「水鶏たたく」の声です。
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【バードリサーチ鳴き声図鑑】ヒクイナ
「トン、トン……」とか、「コン、コン……」と
聞こえなくもないですね。
平安貴族たちが、こんなふうに戸をたたいて
いたのかと思うと、おもしろいですね。
『紫式部日記』にも、この水鶏のやりとりが
あります。
ある夜、紫式部の部屋の戸をたたく人が
います。
彼女は、それには答えませんでした。
すると、翌朝、藤原道長から、歌が届きます。
~夜もすがら 水鶏よりけに なくなくぞ
まきの戸ぐちに たたきわびつる~
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一晩中、水鶏以上に、泣く泣く
槙(まき)の戸口で、
たたきあぐねとったんやで。
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それに対する、紫式部の返歌は、
~ただならじ とばかりたたく 水鶏ゆゑ
あけてはいかに くやしからまし~
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ただではすまさんといわんばかりに、
戸ばっかりたたく水鶏やから、
もし開けでもしたら、どんなに
悔しい思いをしたかわからへんわ。
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現在、標準和名が「クイナ」なのは、こちら。

鳴き声は、戸をたたくようには聞こえませんね。
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【バードリサーチ鳴き声図鑑】クイナ
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