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『叢雲』(むらくも)

旧暦8月13日 壬戌(みずのえいぬ)
  秋分次侯 蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ)
2016年名月(絵島)
去年の中秋の名月は、まさしく「月に叢雲」でした。

じつは、淡路島の月の名所「絵島」で月待ちをしたのですが、
厚い雲が覆っていて、なかなか月の姿は見えません。
DSCN9386_201710012243311fd.jpg
ちらりと見えたのも束の間。
あきらめて、淡路島をあとにしました。

最初の写真は、明石に着いて、食事をした後の写真です。

下は、何年か前の「月に叢雲」。
空にぽっかりと穴があいたような月と、
まるで雲を吐いているような月……。
DSCN6990.jpg DSCN6984.jpg

こちらは、一昨年の月ですが、月だけ撮っても
天体写真みたいで、風情はありませんね。
DSCN7731.jpg

月と叢雲を詠んだ歌には、

~叢雲や 月の隈をば はらふらん
  晴ゆくたびに 照りまさるかな~
  (源俊頼『金曜和歌集』)

というのもあります。

叢雲が月の陰りを払い去っていくみたいや~。
雲が晴れていくたびに、
ますます照り輝いていくんやなぁ。

という感じ。
叢雲が、月の輝きを引き立たせている例ですね。

さて、今年の中秋の名月は、10月4日。
お天気はどうでしょう。

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コメント

蟄虫抔戸とは
景子先生にお訊ね致します。

蟄虫坏戸(むしかくれて とをふさぐ)とは、どういうことを意味するんでしょうか。
『むしがかくれて とをふさぐ』んですから、秋の夜長に美しい声でうたっていたというか鳴いていた『むし』たちも、季節がいくことを感じて店じまいをし、巣ごもりの季節に 入るってことなんでしょうか?
Re: 蟄虫抔戸とは
ご質問、ありがとうございます。

ここでいう「虫」とは、いわゆる昆虫のことではないのです。
昔は、ヘビやカエルやトカゲなども含めて、「虫」と呼ぶ場合もありました。
ここでも、これらの生き物たちが、穴に入って戸をふさぎ、冬眠に入るという意味です。

実際の冬眠は、もう少し寒くなってからだそうですけど、昔は、冬眠の時期が早かったのか、それとも、見かけなくなるので、冬ごもりに入ったと思ったのか、どちらかなのでしょう。

秋の夜長にうたっていた虫たちは、卵を産むと、一生を終えてしまいます。

こんな説明でよろしいでしょうか。
また、何かわからないことがあれば、聞いてくださいね。

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