白露末侯 玄鳥去(つばめさる)

兵庫県公館の庭の犬のオブジェです。
この犬を見ると、『枕草子』に出てくる翁丸(おきなまろ)を
連想するのです。
帝がかわいがっている猫が、縁側で寝ていました。
世話係の女房が、
「お行儀が悪いから、中へお入りなさい」
と言っても、ききません。
そこで、脅かしてやろうと、犬の翁丸を呼んで、
「この子を噛んでやりなさい」
と、冗談で言ったのだとか。
それをまに受けて・・・と書かれていますが、
犬は忖度できませんものね。
翁丸は、猫に飛びかかっていきました。
運悪く、帝に見つかって、島流しを命じられたのです。
それから3、4日した頃、ひどくみすぼらしい犬が、
庭のすみにうずくまっていたそうです。
「翁丸」
と呼びかけても、知らないふりをしています。
その夜、
「翁丸は、さんざんに打たれて殺された」
という噂を聞いた清少納言が、
その犬に向かって、思わず、
「翁丸はどんなにつらかったことでしょう」
とつぶやくと、その犬は、体を震わせ、
涙をぽろぽろとこぼしたそうです。
そうして、翁丸は許され、
元通りの身の上になったということです。
長くなってしまって、すみません。
『凄まじい』から、『枕草子』の
「すさまじきもの」を思い出し、
そこから、翁丸を連想してしまいました。
さて、その「すさまじきもの」の筆頭に
あげられているのは、「昼ほゆる犬」。
ここでいう「すさまじきもの」は、
興ざめするものという意味ですが・・・。
我が家に昔いた犬も、夜は寝て、
昼、よくほえていました。
清少納言にすさまじき犬と呼ばれたと思います。


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