秋分次候 蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ)

一面のススキが、風になびく様子は、壮観ですね。
袖を振るようだから、「袖振草」、
その袖が、波のように揺れるから、「袖波草」、
頻(しき)りに、波がたつから、「頻波草」……。
そう思うと、やはり、「月波草」の方が、
ふさわしいと思えてきます。
毎朝のお散歩コースのススキ、
今年は穂の出が悪くて、寂しいなと思っていたら……。

写した写真を、引き伸ばして見ると、開花中でした。

ススキに花びらは、ありません。
黄色くぶらさがっているのが、雄花。
点々と赤く見えるのが、雌花だそうです。
そうと知っていたら、
もっとアップで撮っておくんだった・・・。
明日は、しっかり観察したいと思います。
それにしても、正岡子規の影響力はすごいですね。
でも、「月並」という言葉を、ありふれたという意味で、
小説に用いて広めたのは、夏目漱石のようです。
芥川龍之介の『侏儒の言葉』には、
「振(ふる)っている」「高等遊民」「露悪家」「月並み」等の言葉の
文壇に行われるようになったのは夏目先生から始まっている。
と書かれてあります。
最後に、本当にたくさんある子規の
ススキの句の中から、いくつか集めてみました。
川一筋風一筋のすゝきかな
三日月の重みをしなふすゝきかな
への字への字かさなる山の薄哉
これ程の秋を薄のおさえけり
はねかえす野分のあとの薄哉
一つ家を埋めて風の薄かな
一秋の思ひに痩する薄かな
夕風に一山なびく薄哉
はや秋のありたけ見する芒哉
のびすぎてさひしさまさる芒哉
招かれつ追はれつ風の芒かな
水流れ芒招くやされかうべ
月の出て風に成たる芒かな
二度よりは通らぬ汽車や花芒
死んだ夢は生きた夢也花芒
すゝき、薄、芒……。
表記も使い分けているんですね。
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