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『月並草』(つきなみぐさ)

旧暦9月2日 庚午(かのえうま)
  秋分次候 蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ)
ススキDSCN2735
一面のススキが、風になびく様子は、壮観ですね。
袖を振るようだから、「袖振草」、
その袖が、波のように揺れるから、「袖波草」、
頻(しき)りに、波がたつから、「頻波草」……。
そう思うと、やはり、「月波草」の方が、
ふさわしいと思えてきます。

毎朝のお散歩コースのススキ、
今年は穂の出が悪くて、寂しいなと思っていたら……。
ススキDSC04514 (640x427)
写した写真を、引き伸ばして見ると、開花中でした。
ススキDSC04514 (2) (640x427)
ススキに花びらは、ありません。
黄色くぶらさがっているのが、雄花。
点々と赤く見えるのが、雌花だそうです。
そうと知っていたら、
もっとアップで撮っておくんだった・・・。
明日は、しっかり観察したいと思います。


それにしても、正岡子規の影響力はすごいですね。
でも、「月並」という言葉を、ありふれたという意味で、
小説に用いて広めたのは、夏目漱石のようです。

芥川龍之介の『侏儒の言葉』には、

 「振(ふる)っている」「高等遊民」「露悪家」「月並み」等の言葉の
文壇に行われるようになったのは夏目先生から始まっている。

と書かれてあります。


最後に、本当にたくさんある子規の
ススキの句の中から、いくつか集めてみました。
 
 川一筋風一筋のすゝきかな
 三日月の重みをしなふすゝきかな
 への字への字かさなる山の薄哉
 これ程の秋を薄のおさえけり
 はねかえす野分のあとの薄哉
 一つ家を埋めて風の薄かな
 一秋の思ひに痩する薄かな
 夕風に一山なびく薄哉
 はや秋のありたけ見する芒哉
 のびすぎてさひしさまさる芒哉
 招かれつ追はれつ風の芒かな
 水流れ芒招くやされかうべ
 月の出て風に成たる芒かな
 二度よりは通らぬ汽車や花芒
 死んだ夢は生きた夢也花芒

すゝき、薄、芒……。
表記も使い分けているんですね。

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『北窓』(きたまど)

旧暦8月25日 癸亥(みずのとい)
  秋分初候 雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)
おはぎDSCN9651 (640x480)
お彼岸用の『北窓』を買ってきました。
とはいっても、今の季節は、
「萩餅」とか「お萩」の方が、しっくりきます。

我が家の庭の萩も、ちょうど今、
文字通り、咲き乱れていますから……。
DSCN9642 (640x480)

母は、
「子どもの頃は、ぼた餅が大好物だった」
と、よく言っていました。
写真のような上品なのではなく、
祖母の手作りの、大きなぼってりしたのが、
「ぼた餅」というイメージだったのでしょう。

それにしても、たくさんの異名があるので、
季節によって、違う名前で呼ぼうと思うのも、
うなずけます。

ただし、春のお彼岸に、「牡丹餅」は、
ちょっと無理がありますね。

牡丹は、夏の季語。
早く咲いたとしても、4月の終わり頃で、
春の彼岸頃には、咲いていません。
彼岸桜が咲く時期ですが、
桜餅と紛らわしいし……。

だから、はっきり「牡丹餅」と言わずに、
「ぼた餅」というようになったのかな。

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『雨露』(うろ)

旧暦8月18日 丙辰(ひのえたつ)
  白露次候 鶺鴒鳴(せきれいなく)
露DSCN7641 (640x480)
根室では、6月でも、朝露が降りていました。
毎朝、早く、散歩に出かけるのですが、
神戸では、なかなか露が見られません。
昔は、もっと降りていたのでしょうか。

露が見られなくなったのに比べて、
雨の方は、豪雨の多いこと……。

異常気象を改善するためには、
世界中の人が、力を合わせなければできないのに、
ニュースを見るたびに、悲しい気持ちになります。

末筆ながら、雨露の難に会われている方々に、
心からお見舞い申し上げます。

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『久方』(ひさかた)

旧暦8月11日 己酉(つちのととり)
  白露初候 草露白(くさのつゆしろし)
DSC01545 (640x427)
日に日に、月が満ちていく時期ですね。
この時期の月は、「上り月」と呼ばれます。

9月8日の月は、10日目の月ですから、
まだ、ほっそりとしています。
上の写真では、わかりにくいのですが、
大きく写すと、こんな感じです。
DSC01544 (2) (640x427)

その前日の月と比べると、
少しふっくらしています。
DSC01519 (2) (640x427)

「月見る月は、この月の月」といわれる
旧暦8月の月ですが、
こんなに気温が高いと、
お月見の気分も出ませんね。
しかも、関東では、台風とあっては……。
どうか被害などありませんように……。

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2020年版『旧暦美人月ごよみダイアリー』

毎年、コラムを担当させていただいている
『旧暦美人月ごよみダイアリー』。
2020年版が出来上がりました!

今回、私が書いた月々のテーマは、
季節が織りなす「季節を感じる音の日本語」です。
来年は、もっと音で季節を感じてみませんか。

『旧暦美人月ごよみダイアリー』は、
手帳、日記としても使いやすい上に、
旧暦や月の満ち欠けもわかり、
興味深い記事も満載です。

季節を感じにくくなっている現代、
こんな手帳があれば、
素敵に暮らせるのではないでしょうか。

詳しいことは、こちらをご覧ください。
   ↓
【2020「旧暦美人」ダイアリー】

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『迎寒』(げいかん)

旧暦8月4日 壬寅(みずのえとら)
  処暑次候 天地始粛(てんちはじめてさむし)
DSCN8645キョウジョシギ (640x480)
「寒」を迎えるというには、
違和感があるかもしれませんね。
「迎涼」という言葉はありませんが、
現代人には、「涼」を迎えるという方が
しっくりくるのではないでしょうか。

海辺にも、さわやかな風が吹き渡り、
旅鳥の鷸(シギ)や千鳥(チドリ)が、
立ち寄る季節になりました。

冒頭の写真は、
キョウジョシギ(京女鷸)の幼鳥。
北極の近くで繁殖する鳥ですから、
そのあたりで生まれたのでしょう。
日本で鋭気を養って、
また南への旅を続けるのだと思います。
元気で、春にはまた、
立ち寄ってほしいものです。

DSCN8679 (640x480) DSCN8733 (640x480)
左のソリハシシギ(反嘴鷸)の繁殖地は、
シベリア東部。
右のキアシシギ(黄脚鷸)は、
ユーラシア大陸北部だそうです。
寒い地方で生まれた鳥たちばかりですね。

シロチドリ(白千鳥)は、
ここで生まれた子かもしれません。
DSCN8596 (640x480)
みーんな気持ちよさそうに、
渚の風に吹かれていました。

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